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女性のためのメンタルヘルスwomen's mental health I

誤解され拡大診断されている女性特有の気分障害

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月経前不快気分障害(Premenstrual Dysphoric Disorder)

基本的特徴は、気分の不安定性、易怒性、不快気分、不安が月経周期の月経前に繰り返し起こり、月経開始前後または直後にぴたりと回復するものです。米国精神医学会の診断基準(DSM-5)ではこの気分の障害の特徴は
過去1年間のほとんどの月経周期で生じ、仕事または社会機能に好ましくない影響をあたえている事
月経開始の後、卵胞期に全くの無症状期間がなければならない事
が強調されてあります。
女性雑誌の影響か、はたまた製薬会社の婦人科医への啓蒙の賜物なのか?「私はPMDDがあります」と略称して来院された患者さんと何度かお会いしました。その方々の多くはすでに治療の為に婦人科に通われ、薬物投与を受けていましたが、この診断基準を満たしていませんでした。更にPMDDと診断するには他の障害ーたとえばうつ病、統合失調症、パニック症、パーソナリティ障害などの障害ーが基本にある患者の「月経前における単なる症状の増悪は含めない」と書かれてあります。

閉経期および閉経前期の気分障害

閉経期は恒久的に月経が停止する時点を指し、閉経前期はそれの5-7年前から規則的月経周期と卵巣機能の完全なる停止までの期間のことです(更年期は卵巣機能の低下する時期を表す一般用語)。この時期の身体的症状(ほてり、発汗、動悸、めまい、息苦しさなど)は卵巣からのエストロゲン産生低下から生じます。
カナダManitobia大学は45歳以上の469人の一般女性を3年間にわたって追跡調査して閉経期と気分障害の相関を調べました(Maturitas 61(1-2): 54-66, 2008)。
すると「閉経期、閉経前期そのものが抑うつ気分を引き起こすことはなかった」と結論づけています。米国のMassachusettsで行われた同様な研究でも同じ結論に至っています(J Health Soc Behav 28:345-356, 1987)。そして「臨床医は閉経期の女性が抑うつを訴えて来たら、閉経というイベント(=ホルモンの変化)よりも、彼女を取りまく環境に何か原因がないのか尋ねなさい」と述べています。興味深い事に「閉経期における両親の死や子供が自立して家を出ていく事は抑うつ状態になり易さとは相関がなかった」とのことです。

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